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平成19年度 日本結晶成長学会賞受賞者紹介
第2回業績賞・第24回論文賞・第14回技術賞・第5回奨励賞


第2回業績賞
[受賞者] 西永 頌(豊橋技術科学大学)
[受賞課題] 「結晶成長機構の研究と低欠陥結晶成長技術の開拓」
[受賞理由]  結晶成長は、かって工業用結晶を得るための道具として見られてきたが、受賞者は結晶成長学を学問
として位置づけることに大きく貢献した。受賞者が明らかにした結晶成長機構の主なものとしては、閉管
気相成長における原子・分子の輸送機構、分子線エピタキシにおける二次元核形成機構と表面拡散機
構、同エピタキシにおける面間表面拡散機構、溶液成長における巨大ステップの形成機構がある。
 また受賞者は結晶成長機構の解明を通し、低欠陥結晶を成長させる新技術、マイクロチャンネルエピ
タキシ法を提案した。この方法は高性能青色レーザーダイオードの作製に用いられている。このことを通
じ、独創技術は、基礎的学問の成果の上に初めて誕生することを、実例により世界に示した。
これらに加え、日本結晶成長学会会長、結晶成長国際機構(IOCG)会長等として、日本をはじめ世界の
結晶成長学推進のリーダーシップをとるとともに、文部科学省等の大型プロジェクトを組織し、若手研究
者の育成にも大きく貢献した。
 以上のように、受賞者は、結晶成長の“科学と技術”の両者、すなわち“成長機構の解明”と、それに基
づく“新エピタキシ技術”、において、先駆的な業績を挙げ、さらに日本および世界の結晶成長学会の発
展に大きく貢献されたことは、日本結晶成長学会業績賞を受賞するに相応しいと判断した。



第24回論文賞
[受賞者] 平松和政(三重大学)
[受賞課題] 「窒化物半導体の選択成長」
[受賞理由]  受賞者は、有機金属エピタキシャル成長(MOVPE)法やハイドライド気相成長(HVPE)法による窒化物
半導体の選択成長において多くの先駆的研究を行い、その成果は今日の窒化物半導体発展に大きな
貢献をした。
 受賞者はGaN及びAlGaNの選択成長を世界に先駆けて行い、選択成長技術の原点と言える論文を発
表し、その技術は、A.UsuiらのFIELO法、O.H.NamらのPENDEOエピタキシー法などの低転位化手法に
つながり、さらにS.Nakamuraらの寿命10,000時間の青紫レーザーダイオードの実現に貢献した。
 また、転位低減効果を高めるファセット制御選択横方向成長技術(FACELO)や、ボイドによる転位低減
などの独創的な提案するなど、窒化物成長技術分野の進展に大きく寄与した。
 以上のように、受賞者が、世界に先駆けて行ってきた選択成長技術は、窒化物半導体の高品質化に
おいて世界に大きなインパクトを与え、これらの研究成果は、J.Cryst.Growthをはじめ国際的に著名な多
くの専門誌に掲載されたので、日本結晶成長学会論文賞を受賞するに相応しいと判断した。



第14回技術賞
[受賞者] 倉知 雅人、佐橋 家隆、((株)山寿セラミックス) 
[受賞課題] 「高機能タンタル酸リチウム・ニオブ酸リチウム単結晶ウエーハの開発と量産化 」
[受賞理由]  受賞者らは、携帯電話の高周波SAWフィルター、SAWデュプレクサ用として広く世界で使われている
タンタル酸リチウム(LT)・ニオブ酸リチウム(NT)の高品質単結晶の量産技術を確立した。
 携帯電話の小型化・多機能化に伴い、部品・材料にも小型化・高信頼性が求められ、受賞者らは、
LT・NT単結晶において、Black-LT.・NT(焦電効果抑制ウエハ)、Black-Yellow-LT(材料強度・良加工
性、光吸収・高温耐久性機能を併せ持つ、高機能性ウエハ)を開発した。これらは、SAWデバイスメー
カーの小型化・生産性向上・プロセスの改善に大きく貢献し、さらに受賞者らは還元処理をはじめとす
る製造技術を確立し、量産化を果たした。
 以上のように、受賞者らが、LT・NT単結晶において、携帯電話の小型化・多機能化を可能にする高
品質化と、その量産化技術を確立したことは、結晶成長技術の進展に大きく貢献しており、日本結晶
成長学会技術賞を受賞するに相応しいと判断した。



第5回奨励賞
[受賞者] 該当者なし